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茶道具

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名物手井戸茶碗 燕庵井戸(めいぶつでいどちゃわん えんなんいど)

高麗
こうらい
名物手井戸茶碗 燕庵井戸
めいぶつでいどちゃわん
えんなんいど
李朝時代
 高麗茶碗で第一等の、大井戸に相伍(あいご)す雄大な風格から名物手と称される。口縁から胴にかけてはふっくらと大らかな感じ。枇杷(びわ)色の釉肌に紅班が見えて、侘びた内に一抹の彩りが点じられる。穏やかな梅花皮(カイラギ、釉が縮れて粒状になった部分)が現れ、高台の竹節(たけのふし)もキッカリとしている。本碗は、恐らくは薮内剣仲の頃より、同家代々に伝えられたものとして、茶室「燕庵」に因み「燕庵井戸」と呼ばれている。

 茶碗をすっぽり収める真塗の挽家(ひきや)には、盈仁入道親王(1772-1830)の判が底裏に記され、藪内家より聖護院(しょうごいん)門跡に伝えられたことが知られる。江戸後期、聖護院宮は光格・孝明天皇の仮皇居となるなど、高い格式を誇っていた。

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