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消息 藪内剣仲宛(しょうそく やぶのうちけんちゅうあて)

古田織部
ふるたおりべ
消息 藪内剣仲宛
しょうそく やぶのうちけんちゅうあて
掛幅装 一幅
江戸初期
 本状は、古田織部が藪内剣仲に宛てた消息(手紙)である。両人は、しばしば茶事を催して楽しんだことが知られているが、この文面からも、その交わりの様子が偲ばれる。ある時、剣仲が口切の茶事に織部を招くにあたり、その前礼として織部の下に挨拶に参上したようだ。ところが運悪く織部に所用があったか、当日は対面が叶わなかったらしい。そこで翌日になって、織部からあらためて都合を知らせた手紙である。明後日の昼時は、既に予定が入っているので、朝(午前8時)に伺わせて欲しいと記している。闊達な筆致に織部の人柄が想われるが、その書風から、慶長14年(1609)以降に認められたものと考えられている。

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