レパント戦闘図・世界地図屏風
(れぱんとせんとうず・せかいちずびょうぶ)
重要文化財 レパント戦闘図・世界地図屏風 れぱんとせんとうず・せかいちずびょうぶ 紙本着色 六曲一双 江戸初期 |
レパントの戦いは、1571年、ギリシャ、コリント湾に於ける神聖ローマ同盟国軍とトルコ軍との海戦。キリスト教世界の勝利を記念する歴史的事件となった。本図では、右端に「つぅるこ」、左端に「ろうまの王」と見える。しかし、実際の戦いには陸戦は無く、しかも象隊の出場も無かった。本図は、西欧の版画や本の挿図などから様々な戦闘図の部分を採り入れ、再構成して一つの画面を形成したものである。 世界地図は、1609年のカエリウス世界地図に基づいて描かれた、数ある地図屏風の中でも最も豪華華麗なもの。地図の下縁には各国男女人物の風俗が表され、また、中央下には南米での食人の凄惨な場面が描かれる。 元来、主題の異なる戦闘図と世界地図とであるが、海波の表現を同じくして一双の屏風に統一感を与えている。江戸初期、日本人の画家が西洋画を学んで完成した作風を、保存良く伝えている。 |
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