所蔵品

絵画

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二河白道図(にがびゃくどうず)

重要文化財
二河白道図
にがびゃくどうず
絹本着色 一幅
鎌倉時代
 「二河白道」は、唐の善導が『観無量寿仏経疏』中に説いた、極楽往生を願うことを勧める譬え。図は、その絵解きによって衆生を導こうとしたもの。

 画面は上中下の三段に構成される。上段には、宝楼・宝池に蓮華を散らし、奏楽する、極楽浄土の美しさや楽しさを描く。浄土の岸には、相見えて喜ぶ菩薩や僧侶達を表す。下段には、群賊・悪獣の他、生老病死の四苦相を展開する。迷界としての娑婆(現世)を写し出し、これを逃れてひたすら浄土への道を求めるべく強調する。中段には、一条の白道が中央に敷かれ、左右に火・水の河が大きく横たわる。火の河には抑えつけた男を弓で射ようとする武士達、水の河には数々の財宝に囲まれた家族を描く。この二河は、衆生の煩悩、瞋恚(火)・貪欲(水)を象徴する。火焔や水波が白道を渡ろうとする人を妨げ、歩みが滞る。これを彼岸から阿弥陀が招き、此岸から釈迦が励まして、浄土往生を願う清浄の信心を助けるという教えである。

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