踊布袋図(おどりほていず)
重要文化財 梁楷 りょうかい 踊布袋図 おどりほていず 大川普済 賛 紙本墨画 一幅 南宋代 |
13世紀、南宋末に活躍した梁楷の卓越した技量は、李白吟行図(東京国立博物館)にも窺える。この布袋は、頭陀袋を括り付けた杖を担ぎ、まるで踊り出すかのように歩む姿が天真爛漫。観る者の心を和ませる力を持っている。墨の描線だけで描ききってしまうところが絶品。 禅宗で、正当な法系に属さないが、その行状が人々に仏法の真理を目覚めさせる人物を「散聖」という。寒山・拾得・布袋・蜆子和尚・猪頭和尚などがその例で、禅的な奇行が多い。禅林で好んで描く画題となり、水墨画による優品が多く遺された。 賛者の大川普済(だいせんふさい、1179-1253)は、大慧宗杲下四世。弟子の慧明首座と共に『景徳伝灯録』以下の「五灯録」を整理し、総合的な禅宗通史『五灯会元』を編んだことで著名。 |
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