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書跡

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高野切(第三種)(こうやぎれ)

(伝)紀貫之
きのつらゆき
高野切(第三種)
こうやぎれ
平安後期
掛幅装 一幅
 『古今集』の最も古い写本となる「高野切」は、文学史上において価値が高い。また、およその書写年代が11世紀半ばと決められ、かつ大量の同筆書跡を持つことから、書道史の上でも重要である。

 第三種の書風は端整で、清純・高雅な字形。自然でありながらも、速度のある運筆とシャープな線質とから、清新な印象を受ける。三人の筆者の中では第三席にあたる、最も若い人物の筆によるものと想像出来る。

基泉法師
わが庵は都のたつみ鹿ぞすむ
世を宇治山と人はいふなり
読み人知らず
荒れにけりあはれ幾世の宿なれや
住みけむ人のおとづれもせぬ
『古今集』巻第十八 雑歌下

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