尺牘 才長老宛(せきとく さいちょうろうあて)
重要文化財 大慧宗杲 だいえいそうこう 尺牘 才長老宛 せきとく さいちょうろうあて 掛幅装 一幅 南宋代 |
圜悟克勤の法嗣で、径山に住した大慧宗杲(1089-1163)は、中国の五家七宗の各禅門で公式化された公案問答を、看話禅として体系化し広く普及させた。紹興11年(1141)、時の宰相秦檜の政策を非難したとの嫌疑を受け、衡州に流され、さらに梅州に移って合計14年間配所の生活を送る。この間、弟子や信者に送った書簡が遺されている。この幅もその一つで、書簡ゆえにその心配りが書体にもよく表れており、宗杲の人柄が偲ばれる。文面は、宛名の才長老から書物と進物をもらった御礼に始まり、近情やら心境を述べつつ、得道の指針を与えている。 |
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