落葉切(おちばぎれ)
(伝)西行 さいぎょう 落葉切 おちばぎれ 掛幅装 一幅 鎌倉時代 内箱 細川三斎、極書 松平不昧 |
「寺落葉」と題する和歌一首の歌切が、現在三幅知られており、全て筆者は西行と伝えられていた。近年、この題と「深山風」との二首を書した藤原定家筆「熊野懐紙」(模本)が発見され、「落葉切」は「熊野懐紙」の断簡であることが判明した。 本幅は、他の「熊野懐紙」との比較から、後鳥羽上皇の宸筆(しんぴつ)と見られる。後鳥羽院は、題をそれぞれの歌の前に低目に書く。筆線が所々ひょいと流れ、また、太い細いの伸びやかな変化に特色がある。 寺落葉 しきみつむ こけのかよひち あともなし みねのあらしの 木葉ふく比 のはふくころ |
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