村山龍平と香雪美術館
- 村山龍平
香雪美術館の「香雪」は、所蔵品の多くを収集した村山龍平の号です。
嘉永3年(1850)、現在の三重県に生まれた龍平は、28歳で朝日新聞を創刊し、日本を代表する新聞に育てました。美術にも深い関心を寄せ、岡倉天心らの主宰する美術雑誌「國華」の経営も引き受けています。開国後、多くの価値ある美術品が海外へと流出し始めると、それを食い止めたいという思いから美術品の収集に力を注ぎました。
没後、学術的・美術的に価値ある収集品に対して美術館設立の声が上がり、昭和47年(1972)に財団法人香雪美術館を設立。翌48年(1973)11月、神戸・御影に香雪美術館が開館しました。美術品はもとより、国の重要文化財に指定された旧村山家住宅の保存・調査を進めながら、茶会など文化的体験の機会を提供する公益活動に取り組んできました。
今後は、新たに誕生する「中之島香雪美術館」とともに、かけがえのない文化財を未来に引き継ぐ事業をいっそう進めていきます。
- 香雪美術館(神戸市東灘区御影)
- 香雪美術館 展示室
- 「國華」創刊号